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ブロック チェーン の 使い方 MVNOが提供する通信サービス(格安SIM)は、通勤時やランチ時に通信速度が下がるといわれる。一方で、MVNOは定期的に帯域を増強し、快適な通信を提供できるように努力している。また、MNO(キャリア)は技術革新を続け、規格上の通信速度は上がり続けている。しかし、実際にスマホでWebサイトを見ていると、数値ほど速度が上がったようには感じられないことがほとんどだ。

 通信速度はなぜ遅くなるのか。そもそも通信速度はどのようにして測っているのか。通信速度に影響を与える要素について、インターネットイニシアティブ(IIJ)の基盤開発課長の掘高房氏がIIJmio meeting 16で説明した。

通信速度はどのように測るのか

 コンシューマー向けの通信サービスで通信速度は「最大○Mbps」と表記されているが、この値は理論値で、この速度を保証しているものではない。いわゆるベストエフォートだ。ベストエフォートのサービスにおいて、理論値と実効速度のギャップは「永遠のテーマ」(掘氏)。IIJmioのフレッツやモバイルサービスでも速度低下についてユーザーから不満や要望をもらっている状態だという。

 ところで、通信速度はどのようにして測っているだろうか。スマホを使っていると、Webサイトの表示が遅いとき、画像が表示されないとき、動画が止まるときなど、遅いと感じることが結構ある。これも通信速度を体感で測っているといえるのだろうが、ある程度の速さを超えると体感では速度を感じにくくなる。

 数字で確認したいときは「みんな大好きなスピードテスト」で計測することが多い。数字が出てくるので分かりやすいが、「分かりやすすぎるところもあって、われわれも悩んでいる存在」(掘氏)でもある。

IIJmio meeting通信速度を測る方法。スピードテストアプリは「分かりやすすぎるところもあって、悩んでいる存在」とかスピードテストで測る通信速度は何か

 一般ユーザーがよく使うスピードテストには、大きく2つの測定項目がある。「ダウンロード/アップロードの速度(bps)」と「ping(秒、ミリ秒)」だ。ダウンロード/アップロードの速度は、端末と計測先のサーバとの間で単位時間に転送できたデータ量を表す。スループットといわれるもので、一般的に通信速度といえばこれを指している。計測方法はアプリによって異なるが、多くはTCP(Transmission Control Protocol)で計測するのが一般的だ。pingは、端末と計測先サーバの行き帰りでかかった往復の時間で、Round Trip Time(RTT)、つまり遅延を表している。

 これら数値から分かることは、ある計測先とのTCP 1セッションの実効速度だ。また、計測先とのICMP(Internet Control Message Protocol)を使ったときの遅延がミリ秒で出てくる。

 逆に分からないこともある。計測先サーバとの通信で、どれだけパケットロスしたかは分からない。また、遅延がどれだけ“ゆらいで”いるかも分からない。遅延はゆらぐとVoIPの音声が聞きにくくなるという。自分が使うアプリの速度も分からない。

IIJmio meetingスピードテストアプリで分かる情報。分からない情報もある

 ちなみに、通信速度は「bps」で表されるが、1秒あたり何パケット送れたかを表す「pps」という単位もあるという。ppsはネットワーク機器の性能を表すときに使われるという。

なぜTCPで測るのか

 IIJのサービスで流れているトラフィックの内訳のグラフがあるが、TCPによるトラフィックが2017年でも9割近くに上る。2015年と比べると「UDP(User Datagram Protocol)」が増えており、増加したのは443/UDP(QUIC)という新しいプロトコル。それでも、実利用でモバイルネットワークを流れている通信の大半はTCPによるものだと分かる。「一般的に使われるプロトコルで測ると、実際の速度を表しやすいということで、TCPを使って測っているのではないか」と掘氏は推測している。

【訂正:2017年7月25日0時53分 初出時に『2015年と比べるとオレンジ色の「UDP(User Datagram Protocol)」といわれる新しいプロトコルが増えている』と記述していましたが、増加したのは「443/UDP(QUIC)」でした。おわびして訂正いたします。】

IIJmio meetingトラフィックの90%近くはTCPによるもの

 TCPは、1981年ごろに登場した、インターネット上で標準的に使われているプロトコルだ。信頼性を重視した設計で、確実に相手にパケットを届けられる設計になっているが、UDPに比べると非効率なプロトコルだ。混雑や欠損への対策、順序逆転、重複などに対処ができ、枯れたプロトコルにもかかわらず、今も研究や拡張が続いているという。

IIJmio meetingTCPはインターネットでもっともよく使われるレイヤー4のプロトコル。信頼性を重視した設計だが、やや効率性に欠ける部分がある

 TCPは、通信を始める前に、相手と確実に送受信できる状態かを確認して通信し始める。パケットを1つ送ったら、相手からの応答を待ってから次を送るという、丁寧なやり方をとっている。相手から応答がないと再送する。まとめて送る仕組みもあり、受信側が忙しくて受信できないときは、送信を止める制御の仕組みも備えられている。

 最初はゆっくりパケットを送り始めて、徐々に通信速度を上げていくスロースタートという仕組みも採用している。また、送ったものの、相手から応答がないとペースを落とす混雑制御の仕組みもTCPのプロトコルに実装されている。

IIJmio meetingTCPのシーケンスを見てみると、双方向でデータの送受信が可能になってから送る、途中のネットワークでパケットロスしないように、だんだん通信スピードを上げる、上げすぎてパケットが届かないと一気に速度を下げて、パケットロスしないようにコントロールするなどの特徴が分かるという

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