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j スポ 3k8 カジノ 今あらためて評価すべき「不揮発性メインメモリ」の可能性

パチンコ 釘 ITシステムの在り方を大きく変え得る革新が、メモリ領域で起こっている。言うまでもなく、メモリはCPU、ストレージとともに、コンピューティングに欠かせない基本コンポーネントの一つだ。CPUについては技術革新が進み、コア数増も含めた高スペック化が進んだ。ストレージについては、HDDからSSDへのシフトと併せて重複排除や圧縮技術が進むことで、高性能化と容量削減が進んだ。こうした中、メモリだけは発展から取り残されたような状況だった。

 しかし、不揮発性メインメモリ(Persistent Memory)によって、メモリ領域も大きく進展しつつある。2018年5月にインテルが市場に投入した「インテル Optane DCパーシステント・メモリー」だ。現在はブランド名を「インテル Optaneパーシステント・メモリー」(以下、インテル Optane PMem)に変更しており、エンタープライズ領域で急速に存在感を高めつつある。インテル Optane PMemの市場動向について、NEC プラットフォームソリューション事業部 主任 劉伯誠氏はこう話す。

NECの劉伯誠氏

 「ストレージ領域で起こった革新と同じような現象が起こっています。ストレージ領域では、より高いアクセス性能を持ったDRAMやSSDをキャッシュとして利用することで、コストを最適化しながらストレージ全体のパフォーマンスを高める取り組みが一般的です。インテル Optane PMemも同様に、アクセス性能に優れ、メインメモリとして用いてきたDRAMをキャッシュとして利用し、インテル Optane PMemをメインメモリに置くことで、コストを最適化しながらパフォーマンスを高めることができます。メモリはCPUやストレージと比較して技術的に後れを取ってきましたが、インテル Optane PMemによってようやくブレークスルーのきっかけがつかめたといえます」

ますます膨らむVDI環境のメモリコスト

 特にメリットを享受できるのが、コロナ禍を受けて大幅に需要が高まったVDI(Virtual Desktop Infrastructure、仮想デスクトップインフラ)に代表されるシンクライアントソリューションだという。

 かつてのHDDベースのVDIシステムには「ブートストーム」や「ノイジーネイバー」などといわれる問題があった。特定時間内でのアクセス集中や、同じディスク上に配置された仮想マシン同士が性能悪化の影響を受けやすいという課題だ。SSDはそれを解消する製品だったが、登場当初は容量単価が高く、オールフラッシュ構成も難しかった。しかし、現在は価格の低下と重複排除技術の発展により、ストレージ性能の問題はおおむね解消された。残る課題はメモリだ。発展したストレージ技術をメモリにフィードバックし、DRAMより安価で大容量なインテル Optane PMemをメインメモリとして利用し、DRAMをキャッシュとして併用することで、メモリについてもコストとパフォーマンスを高いレベルで両立できるわけだ。

 テレワークでビデオチャットやWeb会議の利用が増えるにつれ、特にVDIやシンクライアントシステムには、より多くのコンピューティングリソースが求められるようになった。劉氏もNEC社内でのVDI利用を例に挙げて、こう説明する。

 「NEC社内で利用しているVDI環境の場合、これまでは仮想マシン1台当たり4GBのメモリ割り当てで十分でした。ところがビジネスチャットやWeb会議ツールを頻繁に利用するようになると、4GBではアプリケーションの起動が遅くなったり、Windows全体のパフォーマンスが落ちたりするようになったのです。メモリが足りなくなるとメモリスワップが発生し、SSDを利用していてもパフォーマンスが落ちてしまいます。ユーザーからも『メモリを増やしてほしい』との要望が増え、メモリ割当量を標準で4GBから8GBに拡張しました」

 VDIの利用はさらに拡大し、設計、研究開発部門などを中心に、より多くのリソースを求める声が日々高まり、NEC社内の特定のユーザーには16GB以上のメモリを割り当てるようにしたという。

 「Windows 7からWindows 10、Windows 11へとOSをアップグレードするたびに、推奨されるシステム要件は上がってきました。VDIやシンクライアントを構成する場合も、より多くのコンピューティングリソースを割り当てる必要があります。かつて、VDIシステムのハードウェアコストは、SSDなどのストレージが半分を占めるといわれていました。しかし、SSDの低価格化や重複排除などの技術で、ストレージの比率は徐々に下がっています。代わりに多くを占めるようになったのがメモリのコストです。今やVDIシステムのハードウェアコストの3分の1をメモリが占めるとされており、今後も割合が増えると予想されています」

 メモリとして大量のDRAMを搭載できればよいが、その分コストは高くなる。そのような中、ブレークスルーとなったのが、標準のメモリスロットに装着して、低価格大容量のメインメモリとして利用できるインテル Optane PMemの活用にあった。

 「規格上はSAS/SATAやNVMe(Non-Volatile Memory express)より高速にアクセスできます。DRAMよりは遅いものの、TBクラスのメインメモリをより安価に構築できます。前述したように、『HDDとDRAM/SSDキャッシュを階層化してストレージを高速化するアプローチ』をメモリの世界に持ち込んで、大容量かつ高速なメモリアクセスを実現できるのです」

インテル Optane PMemを利用したVDI環境は、「DRAMのみ」の環境より高コストパフォーマンス

 ではインテル Optane PMemを利用すると、どのくらい高速で安価なVDIシステムを構築できるのか。NECは独自にインテル Optane PMemを検証し、効果を確認した。

 「結論から言えば、『インテル Optane PMemを1024GB、DRAMキャッシュの容量を192GB』としたシステムの方は、『DRAMのみを1024GB搭載したシステム』とほとんど性能に変化がなく、DRAMのみを搭載した場合に比べて、メモリコストを約25%削減できることが分かりました」

 ただ、検証前は懸念点があったという。

 「一般的に、OSは割り当てられたメモリを目いっぱい使おうとする傾向があります。検証を始める前は、全領域に満遍なくアクセスが割り当てられるため、インテル Optane PMemが有効に機能しないのではないかという懸念がありました。さらに、ストレージ階層化の場合、高速なキャッシュへのヒット率は50~80%です。本検証ではDRAMキャッシュをインテル Optane PMemに対して25%以下しか搭載しなかったため、期待したパフォーマンスが得られないのではないかという懸念もありました」

 「メモリ以外を全く同等の構成にしたサーバとストレージ」を用意し、「DRAMを1024GB搭載したもの」と、「インテル Optane PMemを1024GB搭載し、DRAMをキャッシュとして搭載したもの」を比較することで検証を実施した。

検証環境の構成図 「メモリ以外を全く同等の構成にしたサーバとストレージ」を用意し、インテル Optane PMemに対するDRAMの搭載割合を3通りに変化させて検証した(提供:NEC)

 VDIの業界標準ベンチマークツールである「Login VSI」を使い、一般的なビジネス利用を想定した「Knowledge Worker」ワークロードを実行して、VSI BaselineとVSImax値の2種類をそれぞれ比較した。

 VSI Baselineは値が小さいほど、仮想マシンのレスポンスタイムが短く、高速という意味だ。検証の結果、「DRAMのみ1024GB」の場合と「インテル Optane PMemが1024GBでDRAMキャッシュが192GB」の場合で、性能はほぼ同等だという結果が得られた。

Login VSIのベンチマーク結果 「DRAMのみ」と「インテル Optane PMemをメインメモリとしてDRAMをキャッシュとして搭載」したシステムとの間で集約率やパフォーマンスはほぼ同等であることが分かる(提供:NEC)

 一方、VSImaxの値は大きいほど、1サーバ当たりの仮想マシン集約率が高い。「DRAMのみ1024GB」の場合と「インテル Optane PMemが1024GBでDRAMキャッシュが128GB」の場合とでは、集約率に大きな差異は見られなかった。

変革に必要なのは「最高の技術」ではなく「最適な技術」

 このように、インテル Optane PMemを1024GBのメインメモリとして利用すると、DRAMのみの場合と同等のパフォーマンスを維持できるわけだ。要因の一つは「キャッシュヒット率の高さ」にあるという。

 「DRAMキャッシュが大きいほど、キャッシュヒット率の向上傾向がありました。しかし、DRAMキャッシュが128GB(12.5%)の場合でも、キャッシュヒット率は94%と高い水準を維持していました。VDI環境では、メモリアクセスの局所性が極めて高いため、少ないDRAMキャッシュでも高い性能が得られたのです」

メモリのコスト比較 「DRAMのみを使用したVDIシステム」(左)と比較して、「安価なインテル Optane PMemをメインメモリとし、DRAMをキャッシュとして使ったVDIシステム」(右)の方が、同等のパフォーマンスを実現しながら、25%もメモリコストを抑えられることが分かった(提供:NEC)

 一方、VDIシステムのコスト面については、前述の通り、「インテル Optane PMemを1024GB、DRAMキャッシュの容量を192GB」としたシステムの方が、「DRAMのみを1024GB搭載したシステム」より25%のメモリコスト削減効果が得られた。NECの試算では、「インテル Optane PMemを1.5TB、DRAMキャッシュを192GB構成にすると、約30%のメモリコストの削減も可能」なことが分かったという。

 「インテル Optane PMemは登場から3年が経過した実績ある技術です。しかし、どのビジネスシーンで利用すれば高い効果が得られるか、定まった評価はなされていませんでした。今回、VDI環境において、DRAMをメインメモリとして使った場合と同等のパフォーマンスを発揮しながら、最大30%ものメモリコスト削減効果があることを示せた意義は大きいと考えています。もちろん、環境によってコスト削減効果は変わってきますが、VDIシステムにおいて、パフォーマンスと価格のバランスが良い、新しいアプローチになることは間違いありません」

 劉氏は、「今回のような取り組みは、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む上でも重要なスタンスだと考えます」とまとめる。

 「DXには目的と結果が存在し、テクノロジーは目的と結果を結び付ける手段の一つです。ここで気を付けたいのは、DXを達成するために必ずしも高価な技術が必要なわけではないことです。既存の技術でも目からうろこが落ちるような体験をすることもあります。インテル Optane PMemはまさにそうしたテクノロジーの一つです。NECはお客さまの目的やニーズに最適な手段を選び、解決策として提供し、継続的に支援することを重視しています。VDI環境構築についても、検証で得られた知見を生かし、各社各様のニーズにしっかりと応えていきたいと考えています」

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